クレプトマニアのQ&A

クレプトマニアQ&A

クレプトマニアに関する情報をQ&A方式で載せております。

 

クレプトマニア(窃盗症)てそもそも何なのですか?

本人が万引きを止めようと考え、検挙されれば、生活に重大な支障が出るのに万引き行為を止められずに繰り返してしまう衝動制御に関する疾患です。

 

アメリカの精神疾患の診断・統計マニュアルであるDSM-5によると、窃盗症の診断基準は以下のとおりです。

 

 A 個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される
 B 窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり
 C 窃盗に及ぶときの、快感、満足、または解放感
 D その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない
 E その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティー障害ではうまく説明されない

 

最も、上記診断基準を全て満たさなくても、「広い意味ではクレプトマニアに当たり、刑罰よりも治療が有益である」として、治療のための環境を整えることで、法的に有利な解決をすることも可能です。

 

クレプトマニアにはどのような病気が伴うことが多いのですか?

クレプトマニアには摂食障害(食べ吐き)を伴うことが多いです。日本摂食障害学会が監修している摂食障害治療ガイドライン(医学書院)には、摂食障害患者の44%が万引きをしていたとの記述があります。

 

また、クレプトマニアにはうつ病を伴うことが多いとの文献もあります。

 

私の依頼者でも、やはり摂食障害に伴うクレプトマニアの方が一番多いです。

 

摂食障害等に万引きを伴うことが多いことは裁判官、検察官、弁護士に広く知られていることなのですか?

残念ながら広く知られているとは言えないと思います。他の弁護士からクレプトマニアについての相談を受けることも多々ありますし、裁判官や検察官から率直にクレプトマニアについて教えて欲しいと頼まれることもあります。

 

それ故、クレプトマニアについて知識のない一般の弁護士が刑事弁護人となると、裁判官、検察官、弁護士の誰もその特殊性に気づかぬまま手続きが進み、クレプトマニアの方の万引きも一般の万引きと変わらずに、重い処分を受けてしまう可能性が高いのです。

 

クレプトマニアの方の万引きの対象はどのようなものなのですか?

食料品が圧倒的に多いです(特に摂食障害に伴う万引きの場合)。

 

もっとも、食料品だけでなく生活雑貨やブランド品等の高価な物を盗むこともあります。

 

クレプトマニアにかかる方にはどのような傾向があるのですか?

男女比で言えば圧倒的に女性が多いです。

 

性格的には、真面目ないい子であるが、成育過程や現在の家庭環境に問題を抱えている方が多いです。

 

親が、教師、警察官等のいわゆる固い職業についている方が多いです。

 

クレプトマニアに基づく万引きについての弁護活動はどのようなものなのですか?

被害店との示談交渉、反省文、家族の方の上申書作成、専門機関への入通院実績、治療効果の証拠化、専門文献に基づく証拠作成等を行います。そして、これらの証拠に基づき、捜査段階においては検察官を説得し、不起訴、略式請求等を求めていくことになります。公判段階においては裁判官を説得し、罰金刑、執行猶予判決、刑の減軽等を求めていくことになります。

 

いずれにしても、クレプトマニアに基づく万引きについては、クレプトマニアに精通した弁護士による弁護活動が必要です。

 

私は、クレプトマニアに基づく万引き事件について多数の不起訴、執行猶予判決獲得の実績があり、@摂食障害に伴うクレプトマニアの方の万引き事件、Aうつ病に伴うクレプトマニアの方の万引き事件、B統合失調症に伴うクレプトマニアの方の万引き事件において、一般的には極めて難しいとされる再度の執行猶予判決(執行猶予期間中に罪を犯した事件につき再度執行猶予判決をとること)を獲得しております。また、執行猶予中の万引き事件につき不起訴を獲得した実績もあります。

 

現在、スーパーでの万引きで逮捕、勾留されているのですが、弁護士に前科等の関係から裁判で実刑にはならない旨言われました。この場合、クレプトマニアに精通した弁護士に頼むメリットはありますか?

 あります。

 

一般にクレプトマニアの方が実刑になってしまうまでの過程は、@微罪処分(万引き検挙1回目)→A不起訴(万引き検挙2回目)→B罰金刑(万引き検挙3回目)→C執行猶予付き懲役刑(万引き検挙4回目)→D実刑(万引き検挙5回目)というような流れになります(あくまで一例です。万引きの額や、反省の態度等の事情により差が出ます)。

 

クレプトマニアに精通した弁護士が早い段階から弁護に関与すれば、例えば、AからBの間にもう一度不起訴を獲得したり、Bの罰金の額を下げる、BからCの間にもう一度罰金刑(場合によっては不起訴)を獲得する等して、実刑までの期間を長くすることが可能です。

 

クレプトマニアは明らかな病気であり、本人の意思で万引き衝動を抑えることは困難です。それ故、適切な弁護活動より実刑までの期間をなるべく長くして、その間に専門病院への入通院等により根本的な治療を行い(司法判断待ちの段階は本人の治療意欲がもっとも高く、治療にとって最適の期間とされています)、もう2度と万引きをしないようにすることが本人、家族にとっても、社会にとっても重要なのです。

 

以前万引きで懲役8月執行猶予3年の有罪判決を受けました。もう2度と万引きはしないと心に決めたのですが、執行猶予期間中であるにもかかわらず、衝動を抑えられず、またスーパーで万引きをし逮捕されてしまいました。以前弁護士に執行猶予中の再犯は実刑である旨聞いたことがあるのですが、私は必ず刑務所に入ることになるのでしょうか?

不起訴、再度の執行猶予判決(執行猶予期間中に罪を犯した事件につき再度執行猶予判決をとること)を獲得できる可能性もあります。

 

執行猶予中に再犯した場合、実刑となり、以前言い渡された刑も合わせて服役することになるのが一般的です。もっとも、保護観察付き執行猶予中の場合でなければ、再度の執行猶予判決を獲得できる可能性もあります。

 

私は、@摂食障害に伴うクレプトマニアの方の万引き事件、Aうつ病に伴うクレプトマニアの方の万引き事件、B統合失調症に伴うクレプトマニアの方の万引き事件において、再度の執行猶予判決を獲得しております。また、執行猶予中の万引き事件につき不起訴を獲得した実績もあります。

 

執行猶予期間中にスーパーで万引きをし、一審の裁判では実刑判決を受けました。弁護人は国選弁護人の方でした。この場合、先生に頼めば、控訴審で再度の執行猶予判決を獲得することが可能ですか。

不可能ではないですが、かなり難しいです。

 

クレプトマニア弁護の肝は専門機関への入通院実績、治療効果の証拠化ですが、これにはある程度の時間がかかります。にもかかわらず、控訴審の審理期日は原則一回ですし、提出できる証拠にも制限があります。。

 

それ故、執行猶予中の再犯事件について、控訴審から受任した場合、再度の執行猶予判決を獲得できる可能性はかなり低くなります。執行猶予中の再犯につき再度の執行猶予判決獲得を目指すならば、なるべく早い段階でクレプトマニア弁護に精通した弁護士に依頼することをおすすめします。

 

止めようと思っているのに万引き行為を止められずに逮捕、勾留(起訴)された方、また、大切なご家族がそのような事態に至った方は是非一度当事務所にご連絡下さい。

事務所所在地

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事務所名 志木総合法律事務所
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代表弁護士 弁護士佐藤直樹(埼玉弁護士会所属)

 

 

 


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